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需要はイノベーションの母

 日本にD-RAMが必要であるか、否か?の問題を語る前に、一つ考えてみた。

 D-RAM生産が韓国と台湾に集中した場合。これに中国を加えても構わないが、日本以外での生産になった場合。これを考えてみよう。

 D-RAMという半導体デバイスは極めて裾野の広い産業である。自動車まではいかないが、その裾野は化学工業、機械工業、電子工業、素材工学、光学、放射線など、いずれも最先端技術の結晶である。それらの需要先であるD-RAM製造現場が全て外国に移った場合、周辺産業も外国にシフトするか、あるいはあきらめるかの選択となる。顕著なのは、韓国はそれらの需要には、極力国内で調達することを国としての方針としている。コピーは当然、違法であろうと無かろうと関係なく韓国国内生産を奨励している。現に、プローブカードという検査装置部品は、ほとんどは韓国国内で生産している。技術とはそういったトップの需要から富士の裾野形状に広がっていくものである。

 さて、そういった裾野の技術は輸出すればと言う理論は通じなくなる。つまり、需要者にあわせた生産形態になるから、どうしても地勢学的、かつ政治的な要素が大きくなる。そして、一度失ってしまった技術は帰ってこない(これは農業技術も同じ)。そうすると、半導体のような技術の延長にあるFPD(特にLCD)や太陽電池各種の技術は海外に流れてしまうこととなる。これからの産業と言う位置づけの技術も残らなくなる。そして、輸出が減り、産業が衰退し、さらに国として貧しくなる。

 そういったワケで、先端技術で裾野の拾い産業であるD-RAMは日本に残すべき産業である。しかし、目の前の経済原理しか言わないエコノミストは先々を考えずに人件費の安く、立地条件のいい(税制など)外国に行くのが当然で、日本の一企業であるD-RAMメーカーを助けるのは「いかがなものか?」と言うわけである。

 先端技術に生きる道を探さずに、どうやって資源も農作物も少なく、ましてエネルギーなど現時点で全てと言っていいぐらい輸入に頼る日本は生きて行くつもりなのか?そんな観点に立たずして、あるいは日本の技術立国としての政治的セキュリティーを考えずして、目の前の事象に目を奪われてはいけない。アナリストも政治かもオピニオンリーダーとして将来を考えてもらいたい。

 現在、日本の置かれている立場は極めて優位である。ある時期の半導体最盛期前かもしれない。現時点では、日本のバッテリー技術無くしてEV車もHV車も走れない。さらに構成材料である負極材、正極材、セパレーターなども日本の材料メーカー無くしてあり得ない。太陽電池でも日本の多結晶シリコン製造技術、単結晶製造技術なくして、まして薄膜太陽電池も世界のトップ技術である。「Japan as No.1」などと騒がずに、競争相手を見据え、将来を見据え、鉄鋼、造船、半導体そしてLCDの教訓を活かして、政治的配慮をしてもらいたいものである。

 景気浮上が今度の国政選挙の争点であるが、こういった先端産業、人類の未来に貢献する、化石燃料を使わない技術を奨励して、景気浮上を考えてもらいたい。

 それにしても政治家は技術音痴の人が多い。年齢が行けば仕方が無いのかもしれないが、官僚が考える技術立国でなく、人類の将来を含めて考えた技術立国を考えてもらいたいものである。

 官僚が考えるとどうしても補助金のばら撒きで、さらに本当に必要な所にはそのお金は行かない。なぜなら補助金とは結局の所、ただより高い物は無いといったお金だから。補助金より社会制度である。再生可能エネルギー買い上げ制度、夜間電力充電時使用電力料金の割引制度など。行政や政治のやれる事は多い。過去の苦い教訓を活かすことである。

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